NISA

NISA恒久化でどうなる?いつから?(令和5年度税制改正要望)

NISAの恒久化(要望)どうなる?いつから?

岸田首相が「資産所得倍増プラン」を打ち出したことで、NISA恒久化の実現性が高まっています。

NISA恒久化に伴い、非課税期間や年間投資枠の拡大なども行われる可能性もあります。

実現すれば、早ければ2024年から新制度に移行されるでしょう。

目次

NISAが恒久化+投資枠と投資期間が拡大される可能性あり

金融庁の令和5(2023)年度税制改正要望では、NISAの恒久化、非課税期間の無期限化、年間投資枠の拡大などが盛り込まれています。

現行NISAの概要は図の通りです。

現行NISA制度の概要
出典:金融庁『令和5(2023)年度税制改正要望について

要望案は3種類のNISAを一本化する内容です。

安定的な資産形成を促進する観点から、つみたてNISAを基本として一般NISAを合体させます。

ジュニアNISAは予定通り廃止されますが、つみたてNISAの対象年齢を未成年者まで拡大させるようです。

そのうえで、つみたてNISAの年間投資枠40万円と非課税限度額800万円を拡大させようとしています。

新制度は恒久化を要望しており、投資可能期間の縛りがなくなり、非課税で保有できる期間も無期限になる可能性があります。

一般NISAはつみたてNISAの中に「成長投資枠(仮称)」という枠組みを新たに作り、年間投資枠を別途設定する予定です。

その枠の中で上場株式などに投資できる制度設計を目指しています。

このため、2024年1月から移行予定だった2階建ての「新しいNISA」は取りやめる方向です。

ここまでの要望イメージを図にすると以下のようになります。

出典:金融庁『令和5(2023)年度 税制改正要望について

大枠のつみたてNISAを恒久化したうえで、年間投資枠と非課税限度額を拡大します。その中に成長投資枠も別途設定するイメージです。

NISA恒久化で年間投資枠はいくらに拡大される?

金融庁の資料には、年間投資枠をいくらに拡大するのか要望内容は記載されていません。

具体的な制度設計も含め、年末にかけて自民党の税制調査会で議論される予定です。

しかし日本証券業協会は、2022年7月に本家・英国のISA並みに投資枠を拡大させることを提言しています。

年間投資枠の拡大案
出典:日本証券業協会『中間層の資産所得拡大に向けて~資産所得倍増プランへの提言~

この提言では、年間投資枠をつみたてNISAは40万円から60万円に、一般NISAは120万円から240万円にすることが記載されています。

実際にどうなるかはわかりませんが、NISAはもともと英国ISAを参考に作られた制度のため、それに近い規模感になる可能性は十分あります。

NISAの恒久化はいつから?

NISAの恒久化はあくまでも要望段階のため、実際に実現するかはまだわかりません。

しかし岸田首相が資産所得倍増を述べてことからも、ほぼ間違いなくNISAは拡充の方向に進むはずです。

もしNISAの拡充が決まれば、最短で2024年1月から新制度に変わる可能性があります。

NISA拡充の詳細は例年12月頃に発表される「税制改正大綱」に掲載され、その後3月頃まで国会で審議されます。可決されれば多くの法令が4月に施行されます。

それに対してこれまでのNISAの新設や改正はすべて1月スタートだったため、令和5(2023)年度の要望が通った場合、新制度は最短で2024年1月開始になるでしょう。

NISAは恒久化されなくてもメリットが大きい

NISAは「つみたて」にしても「一般」にしても利用するメリットは非常に大きいです。

つみたてNISAは年間40万円、一般NISAは年間120万円を非課税で投資できます。

これを資産形成で使わない手はないでしょう。

しかし現行制度は投資期限が決まっており、始めるのが1年遅くなるごとに、非課税限度額も減っていくことが問題点でした。

<NISAの投資期限>

  • つみたてNISA:2042年まで
  • 一般NISA:2028年まで

(実現すれば)これが今回の恒久化で解消されることになります。

仮に恒久化が見送られたとしても、利用しないのは非常にもったいないです。

NISAは毎月の貯金の一部でも振り向けることで将来の資産形成に役立てられますので、まだ利用していない人は始めることをおすすめします。

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國村 功志

証券会社やFP業界で働いた経験を活かし、金融系のWebライターとして活動。主に資産運用関連の記事を執筆・監修し、検索結果1位や上位表示記事も多数あり。